F. M. Alexander

Frederick Matthias Alexander (1869-1955)は、1869年、オーストラリアのタスマニアに生れました。将来を有望された俳優でしたが、次第に、演技(朗唱)中に声がかすれて出なくなるという問題を抱えるようになりました。幾度も医師の診断を受け、のどを使うのを控えるようにという指示にも従いました。すると、一時的に回復しましたが、朗唱をはじめると、またすぐに声がかすれ、問題の根本的な解決にはなりませんでした。医学的な原因が明らかにならなかったことから、朗唱するときに「自分がしていること」に問題の原因があるのではないかと考えるようになりました。

それから、問題解決へ向けての探求が始まりました。鏡を使いながら、自分の行っていることを、注意深く観察することにより、ある特定の習慣(緊張のパターン)が、話すときや呼吸に影響することを発見しました。このパターンは、舞台で演技をするときに、より顕著になることもわかりました。

何年にも渡り、観察と試行錯誤を重ねた結果、F.M.は、習慣的な反応を抑制し、そこから自由になる方法を見いだしました。これにより、心身が全体として機能する本来の力を取り戻し、結果として、発声だけでなく、健康状態全般の改善へとつながったのです。

発声や呼吸が改善され、舞台での存在感が高まるようになると、F.M.は、そのテクニークについて、人々から教えを求められるようになりました。1894年頃からメルボルンで教え始め、後にシドニーでも教授します。

やがて、多くの医師がF.M.のもとへ患者を送るようになりました。1904年、F.M.は、シドニーの医師の推薦のもと、英国ロンドンに渡ります。以降、四冊の書籍を出版し、1930年代からはこのテクニークの指導者育成も始めます。1955年に亡くなるまで、精力的に教え続けました。

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